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じゅんぱ・らぎ
2006-06-15


毎年春に「ちょとだけここにお邪魔しています」と言いつつ,気がつけば結構な時間を生態研センターで過ごしました.私は学位を取得してから生態研センターに移り,北山兼弘教授のもとでマレイシア熱帯調査に参加する機会を得ることができました.熱帯林で研究できる機会は,生態研センターでは事の他珍しくはないのかも知れませんが,普通はそう滅多な事ではないことは確かでしょう.生態研センターに来るまでは,熱帯林で研究ができる機会はそうないものだと思っていました.また,私の大学院時代の指導教官,先輩や同輩を見ていて,いつか自分も熱帯で研究ができれば良いな,と漠然と思っていました.縁あって熱帯で研究できることになり,熱帯を本格的な研究の場として過ごせたことは非常に幸運だったと思っています.やはり,話には聞いていた世界と,実際に自分が体験した世界では,感じるものが全く違いました.とはいえ,はじめの頃はこれまでとは異なる,なじみのあまりない植物や自然風土に戸惑っていました.それらに慣れきて周りが見えるようになってから,それらの多様な面白さが徐々に分かり,だんだんと物事を楽しめるようになりました.ただし,帰国時のフライトは毎回深夜便で,これにはいまだに慣れず,楽しむことはできませんしたが.また,熱帯林の生態を見る上での視点や手法など,これまで私にはなかった事を学べたことも収穫でした.後は収穫後の作業が残っています.

研究以外の生活では,調査から戻り,たまに日本にいるときに,文字通り生態研センターの皆さんと美味しいビールを飲みに行ったり,山に登ったりと,研究生活の合間(あくまで合間です)のオアシスを楽しめたのが良い思い出になっています.オフになると上下左右関係のない,愉快な雰囲気を楽しめるのも生態研センターの魅力なのだと思います.研究はシビアに,飲み会は弾ける雰囲気をこれからも続けていって欲しいと願っています.

さて,私事ですが,この4月につくば市の国立環境研究所に異動しました.北山先生をはじめ,生態研センターの皆さんには公私にわたり本当にお世話になりました.心から感謝しています.振り返ってみると本当に色々な事がありましたが,結果として楽しく笑っていた時間が多かったと思うので,良かったということでしょう.生態研センターの皆さんの今後のご清祥を祈りつつ筆を置きます.では,またお会いする日まで.

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