闇セミナー
10 February 2000 担当:清野達之
Corner's rules revisited: ontogenetic and ineterspecific patterns in leaf-stem allometry. Brouat, C., Gibernau, M., Amsellem, L. & McKey, D. 1998. New Phytologist 139: 459-470. はじめに| 材料と方法| 結果| まとめ| むすび 脚注 はじめに ・この論文の目的→コーナーの法則の再検証. ・コーナーの法則について ・White (1983a,b):温帯林の樹種でコーナーの法則を検証. ・本論文の目的 [ページの先頭に戻る] 材料と方法 葉と茎のサイズの相互関係のモデリング 種間の相対成長関係 ・White (1983a,b)のデータを再解析(合計69樹種). ・種間比較〜各分類群(落葉被子植物・常緑被子植物・裸子植物)での比較. 成長段階ごとの相対成長 ・4樹種を選び,葉を「適当」に採取し,葉の表面積と茎の直径を,各成長段階ごとに測定. [ページの先頭に戻る] 結果 種間の相対成長 ・一枚一枚の葉の大きさと茎直径の関係 ・表1;分類グループ別にみた関係.すべての分類群で等大→系統的な制約からは独立. ・図2の直線関係;総ての分類群で傾きに有意な差はないが,切片はそれぞれ異なる. ・一枚の葉を考慮せずに,当年枝についている総ての葉でみると(図3),裸子植物(針葉樹)と常緑被 子植物は等大だが,落葉被子植物は相対的. ・シュート当たりの葉数の違いは,3群間の枝の大きさの部分的な違いによって説明されるようだ. 成長段階別の相対成長関係 ・図4と5:末端の節間の断面積とそこについている葉の表面積は,サイズとともに増加. ・葉と茎の関係;成長段階を通して,(log-logで)直線的な関係(図6,表3). ・成長段階を通して,これらの関係は等大. ・葉と茎の関係;傾きに有意な差はないが,切片はそれぞれ異なる. [ページの先頭に戻る] まとめ ・Whiteの結果;当年生シュートの断面積と,その茎についている葉の合計表面積の関係→本質的に等大. ・4樹種の結果からも,上記の関係が等大であることが示された. ・種間と種内の両方で,上記の関係は本質的に同じ→葉と茎の特性の進化上における成長の束縛の存在. ・Whiteの葉の表面積と茎断面積の間の関係についての仮説. ・切片の違いの意味;葉の厚さに関係→落葉樹:常緑樹と比べ細い枝(茎).葉の寿命に関係. ・最終的には,維管束の供給と,葉の支持にこれらの特性が影響されている. ・4樹種間の比較 ・葉と茎の関係:葉と茎の形態的な特性によって変化し,葉の寿命や生育地,気候に無関係. [ページの先頭に戻る] むすび ・茎断面積とそこについている葉の表面積の関係 ・茎と葉の関係:形態的や生態的な特性に依存している. [ページの先頭に戻る] 脚注 Corner, E.J.H. (1949) The Durian theory or the origin of the modern tree. Annals of Botany 13: 367-414.
Halle, F., Oldeman, R.A.A. & Tomlinson, P.B. (1978) Tropical trees and forests: an architectural analysis. Springer-Verlag, Berlin.
White (1983a) Corner's rules in eastern deciduous trees: allometry and its implications for the adaptive architecture of trees. Bulletin of the Torrey Botanical Club 110: 203-212. White (1983b) Evidence that temperate East North American evergreen woody plants follow Corner's rules. New Phytologist 95: 139-145.
[ページの先頭に戻る] |