つくば2年半目な一年でした.あまりフィールドには出れないと思っていましたが,そこそこに出れて,課題だった再測などをこなすことができました.バタバタの始まりな春,その極みの夏,再測な秋,森林限界な冬,とこんな感じでしょうか.
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4月9日(月曜日) 新年度を向かえ,諸々の情報を更新した. 筑波大学農林技術センター演習林報告28号が無事に刊行した.その中で,
先日のインドネシア調査時に数多くの星を眺めたあと,いい気分でホテルの部屋で寝てしまったら,クーラーからの冷風をまともに浴びてしまい,風邪を引いてしまった.全くの自業自得なので,情けのかけようがない.帰国後に花粉散布が絶好調なのを受けて,絶不調に拍車がかかってしまった.ここ数日になって,ようやく復活してきた. 年間を通してつくばに住むようになって一年が経過した.出張で頻度よく来ていたが,ずっと居るのでは感じることが結構ある.夏が結構暑いことは感じていたが,冬が思いの外寒かった.たまに空を見上げてみると,ことのほか多くの航空機がつくば上空を航行している.実際に羽田-千歳の航路に搭乗した時,窓の外から景色を眺めていると,つくばの上空を航行していのがよく分かる.飛んでいる機体ではBoeing-777が多くなった感じがする. 4月20日(金曜日) 新年度が本格的に始動して,右往左往の日々だ.現在居る実験林管理棟の壁に,昨年の震災によって数多くのヒビがはいった.そして度重なる余震でさらにヒビが広がったりした.その補修作業が先週の月曜日から始まり,今週の火曜日に終わった. 川谷尚平・小林元・清野達之 (2012) 閉鎖林冠下に生育するヒノキとサワラ後継樹の樹幹形. 信州大学農学部AFC報告, 10: 85-90. が,出版された.川谷さんが先月の生態学会の発表した内容である. 清野達之 (2012) 大学演習林からの便り<8>筑波大学:中部山岳における森林科学の最前線. Green Age, 4月号, pp. 28-30. が,出版された.日本緑化センターが出版している Green Age という雑誌に書いた,筑波大学演習林の紹介記事だ.演習林のよい宣伝になればと思う.あとは演習林と植物見本園のパンフレットも一新され,フルカラーの素敵なものが出来上がった.何かの機会があれば一度観ていただけたらと思う. 4月26日(木曜日) 先日に自分の車のエンジンオイルの交換を行なったら,整備工場の方からアサガオの種をもらった.先週のはじめにその種を事務所の隅に蒔いてみたら,今週の火曜日には発芽していた.子供の頃を思い出して,今年はその観察をしてみようと思う.植物の成長記録を始めると,つい研究的な感覚になってしまうが,これは研究とは全く別な「ゆるい」観察をするつもりだ. 5月9日(水曜日) 今週の月曜に今年度初めての講義があった.総合科目の担当で,お題は「森林生態系機能と持続的管理」である.このテーマの内容は,常になんらかの大きな動きがあるので,情報の更新は欠かせない.できるだけ新鮮でホットな話題を心がけているが,どうだったであろうか. 今週は実験圃場での作業に明け暮れている.身体を動かしているので爽快だ.データ的にも面白い情報が集積されているのが分かるので,なおのこと気分がよい. 先月に播種したアサガオは,すでに本葉まで展葉してきた.これからの伸びが楽しみだ.しかし,まだ撒いた半分しか発芽していない.残りはこれからだろうか. 5月22日(火曜日) 先週の木曜日に定期観察を行なっている実験区画に置いてあるブロックを持ち上げたところ,何故か中指に熱さを感じた.やがてハチに刺されたということが分かった.ブロックの隙間に巣を作ろうとしていたアシナガバチに刺されたようだ.すぐに毒を吸い出す手当と薬を塗ったのが功を奏したようで,幸いにもあまり大きく腫れることなく無事ですんだ.それ以来,そのブロックを持ち上げるときは,かなり用心するようになった. 昨日は「生物資源生産科学実習」があった.履修人数が多いので二班に分けて,それぞれ二週ごとに入れ替えて行なっている.私分の担当のお題はキノコの植菌だ.一班目は天気にも恵まれて無事に終わった. 昨日はちゃんと金環日食を観ることができた.本格的にカメラで金環日食の様子を撮影しようかと思ったのだが,結局その準備をしなかったのがやや悔やまれる.しかし,体験できたことがなによりもありがたい.次回の金環日食は18年後に北海道などで観測できるとのことだ. 先月に種子を蒔いたが発芽しなったアサガオのその後は,結局そのまま芽が出てこないままだ.発芽したものは本葉が大きくなり,葉数も増えつつある. 5月28日(月曜日) 先週の金曜日は「生態学」の講義担当であった.今回はiPadを使っての講義を試みた.図などの拡大が容易にできるので,ただ浮かれて使っているわけではない.途中までは良かったが,突然プロジェクターが認識しなくなるトラブルがあった.原因は不明だ.こんな事もあろうかと用意していた MacBook Air に切り替えて講義を続けた.さすがに75分2コマ連続だと,体力ペース配分を考えないと途中で崩れてしまう.今回は完投ペースでいう6回辺りで急に制球が乱れてしまった感じだった.なんとか持ちかえしたものの,甘い球がいくつかあったので,反省だ. ちょうど講義が始まる直前に,国立科学博物館・筑波実験植物園のショクダイオオコンニャクが開花したとの情報が入った.ここ最近は朝一番で開花情報を確認していて,開花を楽しみにしていた.土曜日の午前中に早速と観に行ってきた.めったにない貴重な瞬間だ.開花直後の時は臭いがすごかったようだが,観に行ったときはさほど腐臭を感じなかった.それにしても大きい.金環日食に続いて,またも眼福にあずかることができて嬉しい. ショクダイオオコンニャクを眺めた後は,M研の方々へのプロットの張り方のレクチャーがあった.皆さんとても熱心で,私としてもやりがいがあって楽しかった. 今日は「生物資源生産科学実習」の二回目があった.天気予報では14時30分頃から雷雨との予報だ.始まる前は晴天だったが,実習が始まるあたりから風が吹き始め,黒い邪悪な雲が迫ってきた.予報通りに14時30分ころから雷雨になった.軒先や屋内で作業をなんとかこなし,予定より少し早めに終えた.これで一学期の私が担当する分の講義・実習はすべて終了した. 6月11日(月曜日) 先々週末に行なったプロットの張り方のレクチャーの時,樹高計が手元にないときに樹高を知りたい場合の話をしていた.私が手を上げた高さが約2mなので,それを目安にして,だいだいで推定できるだろうという話をした.もちろんデータにはならないが,特訓すればかなりの精度で当てることができる(「当てる」という表現に注意).そんな話をしたところ,ある方から,自分の影の長さを測り,測定したい樹の影の長さを測れば比で計算できるというコメントがあった.ただし,疎林などの樹の影がちゃんと分かるような場所でしか使えないこと,自分の影の長さは時間ごとに測っておく必要があるなどの注意点も教えてもらった.なるほどだ.どうしても測定機器が必要な場合なら,iPhoneのアプリで樹高計がある(iHypsometerのペイジ). 先週の今日は部分月食があった.雲があったが,それっぽく眺めることができた.その二日後には金星の日面通過があったが,こちらは雲に阻まれて眺めることはできなかった. 先週の木金は演習林の事業会議を行なっていた.ハードな会議であったが,無事に終わった. 発芽したアサガオを支柱に巻きつかせてみた.すでに私のひざ下くらいの高さ程度になった.どこまで伸びるだろうか. 6月18日(月曜日) 先週の水曜日から土曜日までは八ヶ岳演習林だった.今シーズン初の森林での調査だ.正確には川上演習林で,2008年に設置したブナ林のプロットの再測や樹高測定などに勤しんでいた.今年はプロット再測の「当たり年」で,確か6000本近くの胸高直径測定に勤しまなくてはならないはずだ.時間も押していたのと,後半戦は天気が微妙だったので,ブーストを上げて調査を行なった.その甲斐もあり,予定していた以上の内容と素敵なデータがとれた.これまで獏と感じていた 発芽したアサガオはすでに腰丈ほどになっていた.よく観てみると,根本付近の葉の下に花が一つだけあったことに気付いた.夕方だったので,すでに花は閉じていた.明日は早く来よう. 7月20日(金曜日) 気がつけば7月も末,そして8月がやって来る. Imai, N., Seino, T., Aiba, S., Takyu, M., Titin, J. & Kitayama, K. Effects of selective logging on tree species diversity and composition of Bornean tropical rain forests at different spatial scales. Plant Ecology. が先日受理されたとの連絡が筆頭著者の今井さんからあった.マレイシア・サバ州・デラマコット保護林での低インパクト伐採の生態学的な意義をまとめた内容である.とても嬉しい.調査が終わった後,宿舎でカールスバーグやタイガーを飲むのが楽しみだった.近いうちにどちらかを買ってきて,サバの方に向かって飲んでみたい. アサガオは大きくなって,すでに私の背丈を越した.藤棚にかかるように棒を置いてみたところ,すでに天井に達してしまった.どこまで高く伸びるのか試してみたいが,すでに研究されているのだろう.発芽した個体ごとに花の色が異なっていて,薄紫,白,濃紫の三色の花が次々に咲いている.昔に読んだ「ヒマワリはなぜ東を向くか」(中公新書,瀧本敦 著)のアサガオに関するくだりを改めて読み返してみて,その面白さにはまりつつある.アサガオへの接し方が深くなった気がする. 8月1日(水曜日) そして8月になった…. 2学期の講義の予定が決まりつつある.また,秋から初冬にかけてのスケジュールも決まりつつある. 8月29日(水曜日) さらに気がつけば8月も末だ. オリンピックなどのスポーツ選手の表彰インタビューなどでは,まず最初にこれまでのサポートに感謝する件が多い.その気持が今すごく分かる.まだ完全には終わっていないが,まずは感謝の意を表したい.有難うございました.なにかとミスが多く,ご迷惑をおかけしたが,ひとまず無事に終わったのは支えてもらった皆さんのおかげです. 今週は少し気が抜けたのか,疲れが出てきたのか,なかなかペースが上がらない.昨年はいきなり全開アタックをかけてしまったので,ブローしたのだろう.そういうことにして,今年は徐々にペースを上げていくことにしよう.いきなりブーストを上げると危険だ. アサガオはすでに種をつけている状態だ.たくさんの種を採取したので,来年もまた育ててみよう. 9月7日(金曜日) この夏も筑波は雨がほとんど降らなかった.今週はこれまで降らなかった分の帳尻を合わせるかの如くという感じだった.植物見本園内の兵太郎池の水位がみるみる下がり,このままでは干上がるのではと心配していた.しかし,週明け早々の降雨であっという間に元の水位に戻った.メリハリがあり過ぎる. 先週は最近では月一で行なっている定期調査を行なった.今週からは二学期が始まり,講義がはじまった.特に今年度は専門語学(英語)II の担当がある.その一回目を火曜日に行なった.その翌日は大学院講義「森林分化成立論」のエクスカーションで日光に行ってきた.日光の森を観るのは初めてで,ずっと楽しみにしていた.大きなミズナラが優占する林分や亜高山帯針葉樹林などを満喫することができて,個人的には大満足だった.やはり山を歩き,森に入って樹木を観るとなんとも幸せな気分になれる. もうそろそろかと思っていたが,アサガオはまだまだたくさん開花している. 9月21日(金曜日) 先月末はいかにギリギリの状態であったのかがよく分かり,改めて汗顔の至りである. 9月13日から19日までインドネシアに行っていた.13日にインドネシア入りして直ぐに,ボゴールで行われた国際シンポジウム "Wild Fire and Carbon Management in Peat-Forest" の会場に行き,出席していた.ボゴールは実に11年半ぶりだったが,今回は植物園には行かなかったので久々という感じは余りしなかった.久々にJさんに会うことができて嬉しかった.実に14年ぶりにAさんにも会うこともできた.ここでようやく久々という感じになった. シンポジウムの後の15日からは中央カリマンタンへ行き,18日まで現地調査を行なってきた.最近の乾燥の影響で少々 haze 気味な感じであった.今回出来ればよいなと思ってきたことができて満足だ. 今回も例によって Hさんと星を眺めながら「反省」していた.9月に入ってからできるだけ身体に負荷をかけず,体調を整えてのインドネシア入りの筈だったが,やはり先月でパワーをかなり使ったようだ.完調ではなかったのが残念であった.「反省」が足りなかったかもしれない. 日本からの往路では講義の資料の予習を真剣に行なっていた.ただし,途中で寝てしまったが.ジャカルタからの復路の深夜便はどうせ寝れないし,難しいことは考えられないだろうと,映画を観て過ごすことを決めていた.予定通りの時間に出発するはずだったが,突然離陸の直前で離陸を中止してしまい,スポットに引き返してしまった.全開で止まったようで,少々焦った.しかし,機内は騒然とせず,静かなものだった.静かに慌てていたのは私だけだったのかもしれない.原因はエンジントラブルで,整備点検でかなりの時間がかかった.機内で待っている間に「テルマエ・ロマエ」を観ていた.原作を面白く読んでいて,実写がどうなったのか楽しみにしていた.最大の褒め言葉で馬鹿馬鹿しい素晴らしさだった.それにしても出演された方々の違和感のなさに改めて驚く.観終えてもまだ離陸する気配がないので,「お熱いのがお好き (Some like it hot) 」を観ることにした.その途中でよくやく離陸となり,観るのを中座した.ちゃんと離陸を確認したら安堵したのか,少し眠ってしまった.しかし,途中で直ぐ目が覚めてしまった.もう眠れないだろう.「お熱いのがお好き」の続きを観る気がなくなったので,今度は「バトルシップ (Battleship)」を観ることにした.突っ込みどころは満載だが,「大丈夫,理屈じゃないんです」というところだろうか.結局6時間遅れで無事に帰国することができた.通常なら7時間ちょっとだが,今回はその倍近くを機内で過ごしたことになる.まあ,時間はかかったが無事に帰国できたし,映画も沢山観れたしで良しとしよう.午後から出席する予定の会議が二つあったが,いずれも間に合わずに出席できなかった.かような事情なので,どうかご容赦を. その日の晩は湯船にゆっくりとつかった.もちろん潜りはしなかった. 10月12日(金曜日) 9月25日から10月8日までは北海道で調査を行なっていた.場所は北大の苫小牧研究林で,森林調査区(プロット)を設置し,樹木の成長追跡を長い期間行なっている.前回の2007年に行なった調査から5年が経過し,今回はプロットの再測定とメンテナンスが主な仕事だった.2004年の台風でかなりの被害を受けた場所であったが,今回訪れてみるとかなり回復してきている感じだ.そのおかげで,ギャップがかなりの藪と化し,目当ての個体を探すのに苦労した.前回と様子が結構変わってしまったこともあり,情けないことにプロット内で迷うという有様だった.それでもなんとか無事に再測定を終えることができた.2005年の調査の時にナンバーテープからアルミのタグに変更した.これでしばらくは何もしなくてもよいと思い込んでいたが,甘かった.2004年の台風で大きなギャップができたこともあり,場所や種によってはタグがめり込んだり,はちきれたりしていた.そのメンテナンスにかなりの時間がかかった.「森林の生態学」で正木隆さんが書かれた「長期観測プロットの作り方と樹木の測り方」の章での,タグは永遠の課題だという言葉をを思い知った.苫小牧研究林の皆さんには大変お世話になりました.有難うございました. 講義と会議があるので10月1日の夜につくばに一度戻り,2日のつくばでのミッションを終えてからその晩に北海道に戻り,翌3日から調査というなんとも慌ただしいスケジュールだった.2日のフライトではタキシングにはいる前に右のエンジンが起動しないトラブルが生じ,2時間遅れの離陸となった.ここ最近この手のトラブルの遭遇が続く.待っている間にレポートのチェックを終えることができたので,まあよしとしよう. 調査後の楽しみに食事がある.羅魅陀というラーメン屋の味噌カレーラーメンを久々に食してきた.そして何よりも楽しみにしていたのが第一洋食店のハヤシライスを食することだ.この二つを完遂できてなによりだ. ポスドクの時に関わっていたプロジェクトの内容が本となって出版されたとの連絡が,ボスの北山兼弘さんから届いた."Co-benefits of Sustainable Forestry" というタイトルで,マレイシア・サバ州のデラマコット保護林での活動をまとめられたものである.低インパクト伐採を導入し,早くからFSC認証されたところだ.最近の林業とそれに関わる問題に関してをまとめられた大変素晴らしい内容である.ぜひとも手にとって読んで欲しい. 京阪電鉄のマスコットである「おけいはん」は3年任期で代替わりし,現在で4代目になる.もうじき世代交代の時期だ.そんなことをぼんやり思っていいたら,実は先々月から大変なことになっていた.今さらながら目が離せない. 注:初の公募になった. 11月2日(金曜日) 苫小牧調査の後は,しばらく講義や実習などが続いた.先週の木曜日から日曜日までは八ヶ岳演習林での調査に出かけていた.2年前にKさん達と川上演習林に開設したサワラ林のプロットの再測に勤しんでいた.KさんとMさんと合わせて三人での調査で,気持よく順調に再測を終えることができた.お疲れ様でした.そのあとは一人で八ヶ岳演習林の湿地林プロットの再測に勤しんでいた.一日で全体の55%が終了したので,次で数日もあれば確実に終わるだろう.さすがに晩秋の野辺山は寒かった.次は晩秋ではなく,もはや初冬かもしれない. 11月16日(金曜日) 残りのプロット再測を終わらせるべく,先週の水曜日から今週の月曜日までは八ヶ岳演習林に行っていた.前回で残り45%までになっていた湿地林プロットの再測は,一日で無事に終わった.その後は二次林プロットの再測を行なった.日曜日の午後から雨の予報だったので,可能な限り進めておこうと初日に全体の68%まで終わらせ,翌日に無事に終了した.それぞれ1ha プロットでそこそこの本数だったが,平坦な地形であったのと,調査の終わりに天気が悪くなるという危機感があり,ひたすら測定を続けた結果,割りと短時間で再測を終えることができた.これで今シーズンの国内でのプロット再測をすべて無事に終了することができた. 3日の文化の日に,思うところあって「009 RE: CYBORG」を観に行ってきた(3D版の方).彼らの生い立ちや能力,原作時のエピソードなどの予備知識をある程度要求されるかも知れない.映像は楽しめた.キャッチコピーが素晴らしい. 水曜日に5代目新・おけいはんが発表された.このニュースの大きさが,こちらではイマイチ伝わりにくい. 12月12日(水曜日) 例によって気がつけば12月,二学期の講義も無事に終わり,今や三学期になった.ここしばらくはデータのチェックや,来るべき2月の準備などの日々を過ごしている. 先週の金曜日は兵庫県博の三橋弘宗さんに来ていただいて,GISを駆使した野生生物の生息域予測の集中講義を行なって頂いた.充実した内容で,私も話を聞いていてすごく勉強になった.6年前に挫折したまま中座したGISを,これを機にもう一度やり直してみようと思う.三橋さん,有難うございました. 12月25日(火曜日) 研究関係の本をインターネットで探して注文していたところ,Halle, Oldeman & Tomlinson (1978) Tropical trees and forests が新品で購入可能になっていたことに気付いた.再版されたようなので,慌てて注文した.その本が今日の午後に届いた.博士課程で樹形の研究をしていた頃に,ボスからお借りして必要なところを読んだ.その時点ではすでに絶版だった.とはいえ,樹形関係の研究ではかなり引用されている本で,Google Scholar によると今日の時点で1666の引用がある.その本が手元にあるというのはかなり嬉しい.改めて読み直してみよう. 今日の午後に筑波実験林の本棚で木材構造の本を探していたら,「マレーシャ連邦サバ州の丸太規格と産地事情」(原文ママ)という本を見かけた.今から44年前に出版された本だ.当時のサバ州は,北ボルネオからマレイシア連邦のサバ州となって間もない頃だろうか.本の中ではサバ州の州都はまだジェッセルトンになっていた(注;現在はコタキナバル).当時のサバの森林と林業の様子が書かれていて,非常に面白かった. 2013年1月18 日(金曜日) 今日は修士論文の発表会であった.研究室の皆さんは上手に発表していた.お疲れ様でした. つくば市の上空を飛ぶ飛行機はどこから来て,そしてどこに向かうのだろうかとずっと気になっていた.そのような話を院生さん達としていたら,Flightradar24.com というサイトを教えてもらった.件のサイトを眺めてみると,私のツボにハマり過ぎる内容だ. 筑波大学の上空を飛んでいる航空機のほとんどが成田発着便であることが分かった.件のサイトを観ながら総合研究棟から空を眺めると,こちらに迫ってくるのが実によく分かり,かなり楽しい.やはり機材は Boeing 777 が多く,私の識別力もまんざらではないと上機嫌だ.飛行機に実際に乗った時の窓から見えたつくば市は,実際はかなり離れたところからの眺めであったことも分かった.八ヶ岳時代に近所の温泉の露天風呂に入りながら空を眺めていると,航空機が八ヶ岳付近や南アルプスのかなり上空で飛んでいるのをよく目にしていた.それらの航路も分かった. ずっと気になっていて,解決方法が分からなかった事が一気に氷解した.まったく些細なことだが,気分がよい. 2月15日(金曜日) 気がつけば怒涛の2月も中旬になっている.8月末に大きくは終わったところだが,今回が最後の締めだ.今回も至らぬ点数多あり,ご迷惑をおかげしたが,なんとか無事に終わったのは皆さんのサポートあってこそです.ここに感謝の意を表したい.有難うございました. 今週の火曜日は西へ.みっちりと実験手法のチェックなどを行なった.非常にお忙しいところ,色々と有難うございました. 昨日今日とは卒研発表会であった.研究室の皆さんの発表は素直に素晴らしいと感じた.プレゼンの方法がいわゆる「朗読会」ではなく,ちゃんと聴衆に向けて,自分の研究内容を自分のメッセージとして伝えようとする姿勢が充分に感じられた.当然,緊張もしただろう.それでもそれをあまり感じない,堂々たる発表で聴いていて気分が良かった. 2月22日(金曜日) 本番に弱いとか直前に弱いというタイプがあるとする.私は典型的なそれだ.ここ一番で風邪をひく失態をまたも演じてしまった.そのような状況ではあるが,定期観測のデータ収集を行なった.体調がイマイチでも,外の作業はそれなりに楽しい.しかし,外の寒さがいつもより堪えた. 2005年4月の New Order のアルバム"Waiting for the Sirens' call" に収められなかった曲が幾つかあったことは,アルバム発表後にそれとなく伝わっていた.そのお蔵入りしていた曲を集めたミニアルバムがでるという話はあったが,諸般の都合でこれまで流れていた.それがようやく発売されたので,先日やっと手に入れた (Lost Sirens).あの時のアルバムの流れを思い出すのと同時に,8年前の頃をふと思い出した. 3月13日(水曜日) 本番に弱い,あるいは直前に弱い私は,2月24日から3月8日までマレイシアはキナバル山の調査に出かけていた.2011年8月から9月の調査と同様にHさんとの調査であった.今回はキナバル山の森林限界付近での調査のための山登りができるかと思っていたが,直前に引いた風邪が祟ったこともあり,前回以上の大ブレーキだった.まったく申し訳ない思いで一杯だ.よしんば風邪を引いていなくても,ちゃんと山登りができたかはアヤシイ気もする.迷惑をかけただけではなく,悔しい思いも強いので,いつかスッキリしたいものだ,いや,させる.登っている最中にバテて休んでいたら,台湾から来ていた老夫婦に励まされ,飴をいただいて元気づけてもらった.それがとても嬉しかった.有難うございました. そんな冴えない感じであったが,久しぶりのキナバルは懐かしい思いもあり,楽しかった.あの頃私も若かったと,振り返るにはまだ早い. そんな調子であったので,機内では可能な限り体力温存ということで,往路はほとんど寝ていた.起きていた時間は往路から早々に映画を観ていた.観たいと思っていた「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 (Life of Pi)」を鑑賞した.本人が納得したものだけが真実であろう.復路では「ヒッチコック (Hitchcock)」を鑑賞したが,途中で気絶してしまった.日本では来月に公開の模様だ.観ている最中は誰かと思い出せずにいたが,後であの方がヒッチコックを演じていることに気づいた. 戻った翌日は中村徹さんの最終講義であった.2時間におよぶ,これまでの40年近くに渡る研究と教育の話で,時間を全く感じさせない素晴らしい講演であった.中村徹さんの壮大なドラマを楽しんだ.この日のために集まった懐かしい顔も多々あり,楽しい日であった.中村徹さんのこれまでに(もちろんこの先にも)お礼を申し上げたい. 那須研太・清野達之・村松義昭・菅原優・上條隆志 (2013) カラマツ壮齢人工林の樹木成長におよぼす施業履歴の効果. 筑波大学農林技術研究. が受理されたとの連絡がキナバル調査中にあった.昨年度に卒業研究を指導していた那須研太さんの卒業論文を論文化したものだ.こうして卒業論文の内容がちゃんと形となって残るのは嬉しい.そして,これまでの私になかった分野の内容であるのも嬉しい. 昨日は後期入試であった. キナバル調査の前にひいた風邪はだいぶ回復してきたが,今は花粉症の症状へ移行し,冴えないままが続いている.なんとかならないものだろうか. 3月26日(火曜日) 先週にMacBookProを新たに投入し,その設定作業で数日かかった.まずは前のマシンからのデータの移行を行ない,その後に新マシンの設定の微調整という行程である.難しい作業はなく,あとはマシンの方で勝手にやってくれるはずであった.どうも App Store の動作がおかしく, App Store に接続できない.調べてみるとキーチェーンアクセスの証明書の状態に問題があるようであった.Apple サポートコミュニティに件の問題についての話題があり,その最初の回答にあった方法を試したみたところ,おかげで問題を解決することができた.有難うございました.新しいマシンは速くて快適だ.Retina モデルではないが,画面も綺麗で見やすい. 今日の午前中は池の調査,午後からは月例で行なっている樹木の生理測定を行なった.今日は冷えたが,生き物の動きはもう春の様子になっている.つくばのサクラも今週一杯だろうか.以前にメインで使用していた @sakura のアカウントが先月にその役割を終えた.気に入っていたアカウントだったので残念だ. |